【学習塾業の2023年の展望】
2020年のコロナ渦で、大きく落ち込んだ学習塾業界ですが状況が落ち着くにつれて回復の動きがあり、昨年はコロナ渦以前に近い回復をしている状況です。
また、家計支出に占める「月謝支出」が大きく増えてきていることも業界にとってはプラスな状況です。(経産省データ)
実際、学習塾業を営む現場にいると昨年は新規入塾生の増加が増えてきていることや保護者が積極的に「我が子に合った塾を探す」動向を感じられる一年でした。
コロナの影響は、学齢期の子供達の学力にも大きな影響を与えてしまいました。
もっとも顕著な影響は、「学校の授業が良く解らない」という子供たちがとても多くなったということです。
文科省のデータによると、これらの子供たちが(公立の小・中学校生)凡そ6割いるということです。
コロナ渦での休校に始まり、指導要領の改訂に伴う教科書の難化が主な理由です。
進学塾に通塾する「層」の子供たちの多くは残りの4割に当たる「学校の授業は解る=基礎学力がある」といった具合ですが実は、進学塾に通塾している2割強の子供たちは「塾の授業についていけない=基礎学力に不安がある」という現実もあります。
すると、基礎学力が身に付いていない或いは、伸び悩んでる子供たちはとてもたくさんいるということになります。
一例として、中学3年生でも通分や基本的な計算力が危うい子供が今や珍しくないことです。
特に塾に通っているのに成績不振な場合は、子供にとっても保護者にとっても大きな不安と心配となっています。
学習塾の指導形態の6割は一斉指導(大手進学塾を含む)で、個別指導は4割なのですが教室数でいえば個別指導塾が多い状況です。
実際、個人が学習塾を開業する場合に多いフランチャイズ加盟塾の殆どは個別指導塾です。
さて、成績不振=学校の授業が良く解らない子供を持つ保護者は、「遡り学習ができる個別指導塾」に通わせます。
それぞれの子に合わせて解らないところを解るところまで戻って教われる個別指導なのですが思う様にテストで点数が上がらない現実があります。
理由は、遡り学習ばかりしているとリアルな今の学習内容に追いつかずテストで点数が上がらない状況になるからです。
また、個別指導に携わる先生が学生アルバイト先生の場合、その方の指導教務力に左右されることもあります。
学習を開業するにあたり、今年の展望として
①成績不振の子供たちが増えている事
②保護者の良い塾への期待が大きい事
③家計収入に占める月謝額が増えている傾向
これらのことから、明るい展望となるでしょう。
但し、相変わらずの少子化であることから
①商圏内の他塾に勝る特色が必要であること
②単なる個別指導ではなく成績を上がられる指導が必要
③保護者の不安に応える対応
が、学習塾経営の成否を分けることになります。
加えて、開業にあたり初期投資額を抑えることも重要です。
一般のフランチャイズ加盟では、開業から3か月の運転資金を含めた総額が2,500万円という試算がありますが私見としてかかりすぎだと思います。
当該金額の半額以下でも成功している塾長がいらっしゃることを付記致します。
<東京都在住A氏;54歳・妻子有・事務職・塾業未経験>
・数社のフランチャイズ本部の説明を聞いて初期費用が800~1000万円かかることからと、塾生募集について不安があることからご相談を受ける。
・初期投資を抑え、リスクを下げるために「副業として開業して軌道に乗ったら退職するスキームをご提案
・副業で開業し、10か月後に退職。
・開業から1年を経て年収380万円、3年後に年収560万円となる
学習塾業は、地域教育に貢献し自己実現できる素晴らしい仕事だと思います。
新年を迎え、善き人が良き塾を創りご成功をされることを願います。
様々な疑問に応え、その方法をお伝えいたしますので、お気軽に「無料相談」をご活用頂ければ幸いです。
雑談雑考;2023年学習塾経営・開業についての指針
