よっし!今年もやるか…受験生恒例の2泊3日合宿特訓。
夏期講習会の他に「有志(と言ってもほぼ100%参加になる)」参加の2泊3日:24時間マラソン勉強会。
1日目7時間、2日目14時間、最終日3時間の正味24時時間、勉強漬け…圧巻は2日目の14時間。
食事と入浴とトイレ以外は、朝の8:00~深夜2:00までひたすらに勉強。
(ある塾生と保護者には、説得しての参加にもなりますし、相応の費用負担も強います。)
やる気無し、根性なし、成績悪しの「受験生落ちこぼれ3拍子」のA君を思い出します。
1日目
「え~、すぐに勉強するの。休んでからじゃないの・・・」
(前もって、計画表があって、説明してから民宿に来ている。他の塾生はやる気マンマン、目はランラン)
“勉強しに来たのだからやるよ!Aは、やる気ないの解っているよ。先生がお母さんを説得したんだから”
「先生、お金儲かっていいじゃんか・・・・・」(憎まれ口を叩くほどの知恵はある)
“さてと…先生はAのとなりで一緒に勉強すっか”(やることはいくらでもある私)
「え~、サボれないじゃん。」
(各塾生は、やることを前もって個別に計画を立ててある。やれることをとにかくひたすらにやりまくる内容)
(Aは、数学の計算問題を500問。英単語・熟語暗記300。理科・者会の調べ学習が主たる内容)
“計算問題からやれば~。どうせ、テレビもゲームもないし、時計もないよ~ン、嫌なら机で寝てれば~”
「皆もやってるし、眠くねーし。やるかあ~」
「腹へった。メシまだ~(やつの腹時計はかなり正確、午後3時から始めて3時間過ぎた)」
“すげ~な、Aは。体内時計は野生動物並だな!”
「なんすか、体内時計って」
(説明する)
「そうなんだ。俺ってすげ~な(妙に自分に感心している…のがおかしい)」
(食事を済ませ、直ぐに勉強に突入)
「寝み~。(まさに動物並みの正直な反応なのが、またまたおかしい。皆は、眠いながらも黙々と。ある子は、顔を洗いに行きながら)」
“眠ければ、ここで寝れば~。でも、皆やっているよなあ~。“
「先生は、眠くならないの?」
“眠くなるよ。でも、Aが言うようにお母さんからお金もらってるし、先生が寝たらシャレにならんだろうが!”
「先生、正直だよなあ~。去年行ってた塾の先生は、先生みたいな話しなかったし、偉そうだし、なんかムカツクんだよなあ…」
“別に、人のことはどうでもいいよ。今の自分、自分が出来ること、一生懸命にやることが自分を作るんだよ(的なことを話したように思う)”
「先生、いいこと言うじゃん。なんか俺眼覚めてきた。(貴方に言われたくないと思うが可愛いとこもある)”
延々、Aと会話しながら(勿論、他の塾生のフォローもしながら)翌日の14時間もAは頑張った。
最終日
“皆、よく頑張った。これほど勉強を長くやった経験はなかったと思う。先生は、嬉しい。修了証書を渡すから、受験が終わるまで机の前に貼っておきなさい。きっと、思い出して頑張れる!”(みたいなことを言った気がする)
「先生、俺なんか泣けてきた。最初は、付き合いで来ただけだし、どうせ続くわけね~と思ってた。でも、先生横にいるし、いろんな話してくれるし。気づいたら終わってた。」
“いいじゃんか、それで。Aが自分で頑張ったのだから。正直、先生もAが計画通りに全部やれるとは思わなかった~”
2日後、Aの母親から電話が…「先生、なんだかうちの子目が変わった様に思います。それと、ただいまとかいただきますとかお休みとか、挨拶もするようになって。ありがとうございます。」
“お母さん、確かにA君にはいろいろな話をしましたが結局はA君自身が変わろうとしたことが大切なこと。A君も照れるかもしれませんがお母さんも気づいたときは褒めてあげてください。それと、親の愛情に勝るものはありません。私は出来ることをしただけです。”(のようなことを言った記憶が)
その後、Aは中ランクの公立高校に合格し、何を勘違いしたか(冗談です)高校入学後も通塾。推薦合格で中央大学に進学…家族3人、お父さんになっているらしい。
一昨年、年賀状で「先生に会って(いい年した大人が私を先生と呼ぶな!)、個人とはどういう意味か子供ながらに解った合宿でした。(中略)いきなりの年賀状ですみません。」だと…Aも親になって、親の仕事をし始める時期なんだなあ~と思った思い出です。